2023年の3月初旬、RYOZAN PARKは、企画展「GAMO TSUKA BONE」の開催が決まった。これまで何度も議論を重ね、この日が来ることを誰もが楽しみにしていた。春休みの芸大生たちは、コラボイベントが主業となり、展覧会のオープニングイベントに関する活発な議論やアイデアの出し合いもあった。さらに、今回の展覧会は、RYOZAN PARKの2つのギャラリースペースを使用することになったが、場所が異なる。巣鴨のGALLERY MUGENと大塚GALLERY HOKORAは駅が近いこともあり、作家たちは街をギャラリーに見立て、地域のルーツにつながる作品を創作することを心がけた。
オープニングイベント当日、会場は賑やかなエネルギーに包まれていた。今回の展覧会の共に行われたオープニングパーティーは、アーティストの道前氏が手がけた「作品」でもある。このオープニングイベントは、「GEN-Zのパーティ」という企画で、RYOZAN PARKのシェアハウスの人たちと、東京の美大生のコミュニティを結びつけようというものである。アーティストたちは、RYOZAN PARKの地下会場を梱包材(プチプチ)で覆い、DJブースを設置し、さまざまな照明で盛り上げ、遊び心たっぷりに参加しました。参加者は、学生からサラリーマンまで、さまざまな人が集まった。アーティストと観客の間に交流のネットワークを作り、展示会の舞台だけでなく、作り手と観察者との間のコミュニケーションの壁である第四の壁を破ることを目的としている。
(左)GALLERY HOKORA
(中)GALLERY MUGEN
(右)RYOZAN PARK OTSUKA
アーティストの郡司さんは、オーナーの竹沢さんをはじめとするRYOZAN PARKの人々にインタビューを行い、その興味深い人物の印象をもとに、いくつかの作品を制作した。展覧会に現れた人は、「わぁ、誰々の笑顔が写ってる」「やっぱりあの人だったんだ!」と感嘆の声を上げることが多かった。彼女が作品に選んだのは、肉屋からRYOZAN PARKのスタッフまで、地元企業の経営者たちだった。その発想は、観察・分析に通じるものがある。人を題材にすることで、展示に別の親しみやすさが生まれる。もう一人のアーティスト、クーリーさんは、大塚にあるGALLERY HOKORAの4畳しかない小さなスペースを利用して、新しく建てられた洞窟のような建物の印象に沿った小さなアート作品を制作した。このギャラリーは有機的な素材でできていて、有機的であることや素材のリサイクルというコンセプトを思い起こさせる。「だから、この感覚に合うように、自分の古い作品のスケッチを段ボールや再生紙に描くことにしました。」と、彼女は説明した。ています。また、「HOKORAが自然素材によって再生されるように、彼女の作品も同じように、展示期間中、さらに作品が追加される予定です」とも述べた。クーリーさんは、展示会参加者のリクエストに応えて、いくつかの作品を追加してくれた。このときばかりは、観客はただ受け取る側ではなく、作家の作品に協力する側に回った。
(左)アーティストアリス氏
(右)アーティスト郡司氏
アートが地域とつながり、仲間意識を生み出し、あるいは地域のさまざまな参加者の間で「共有された物」というアイデアを生み出す可能性を発見することが、この展覧会イベントの主な目的だった。須藤氏がイベントスペースとしてRYOZAN PARKを選んだのは、その多様性と地域社会とのネットワークの密度が高かったからだ。ギャラリーの場所を活用しようという多くのアイデアは、街をアートギャラリーにするための大きな要素だった。このイベントは、空間がどのようなものになりうるか、アーティストと観客の相互作用をどのように逆転させるか、近隣地域の共有感情を超越した広い意味でのコミュニティのネットワークをどのように認識しうるか、その可能性を示した。
【イベント開催情報】
・イベント名:GAMO TSUKA BONE 鴨塚骨
・開催期間:2023.3.25(Sat) 〜 2023.4.2(Sun)
・展示会場:RYOZAN PARK GALLERY HOKORA(南大塚3-36-7-1F)
RYOZAN PARK GALLERY MUGEN(巣鴨1-9-1-2F)
https://dojo.ryozanpark.com/host/
・主催:東京藝術大学絵画科油画専攻(クーリー アリス、グンジ、須藤啓志、道前碧)
・共催:RYOZAN PARK
・展示会場の貸出しついてはコチラ:
https://www.ryozanpark.com/event-spaces/#event-space-form
取材・文 RYOZAN PARK インターン Grace Lin